この度、県外総合型クラブの訪問報告、第2弾としてご紹介します。
〇北海道クラブアドバイザーの方との情報交換
まず初めに北海道きたえーるへ訪問して、北海道クラブアドバイザーの方と情報交換をさせていただきました。
愛媛県と北海道では自治体数が愛媛の20市町に対して、北海道は179市町村と大きく違うこともあり、総合型クラブの数も147クラブと大きく異なりました。
数以外にも特徴的な違いは、若いクラブマネジャーが活躍するクラブが多いことでした。
総合型クラブ設立当初は、北海道も愛媛県同様、ほとんどが任意団体でしたが、現在では法人格を取得し、社会的信用を得ることで、自主財源確保に結び付き、自主運営可能な組織となっているクラブが多いようです。
また、クラブ間の交流が盛んで、知識の共有や運営課題の相談などが頻繁に行われており、クラブ同士が協力する体制ができあがっていました。その体制によって、クラブ運営のアイデアなどが共有でき、持続可能な活動に繋がっていました。
ぜひ、愛媛県総合型地域スポーツクラブ連絡協議会においても、クラブ間の横のつながりを密にしたクラブ主体の連絡協議会が運営できるよう、事務局として支援していきたいと思います。
〇NPO法人アビースポーツクラブ(北海道勇払郡安平町)訪問
若い世代のクラブマネジャーが中心となり、活発な活動が行われている「アビースポーツクラブ」へ訪問しました。まずは町との連携やクラブマネジャーとなった経緯などを安平町役場でお伺いしました。
2018年に発生した北海道胆振東部地震の際に、長期ボランティアとして安平町を訪れたのが、現在のクラブマネジャーの鳥實(とりみ)さんでした。
鳥實さんが、そのまま安平町に移住して、子ども園に勤めながら、クラブの活動に協力していました。その後、子ども園の関係者を通じて、クラブマネジャー就任の話があり、震災後の安平町をスポーツで元気にしたいといった町の政策に賛同し、クラブマネジャーを引き受けました。
現在では、地域の子どもたちのため、様々なスポーツイベントや町と協力した行事開催など活発な活動を行っています。
また、安平町では震災により小学校や中学校の校舎など、多くの施設が破損しました。震災後、町では教育に力を入れた政策として、既存の複数の小・中学校を統廃合し、復興のシンボルとなる「早来学園(はやきたがくえん)」という小中一貫校を設立しました。
<早来学園体育館>
学園では、体育館を活動拠点として、社会体育の時間帯に、ジュニアの活動を主対象に、様々な活動が行われていました。
<早来学園図書スペース>
また、学校の敷地内には、地域住民と児童が共同で使用できる図書スペースがあり、一角には会議室など予約制で一般の方も使えるような学校施設となっていました。
図書スペースと隣接している児童・生徒が学校生活で使用するスペースには、一般の方が入室できないよう顔認証システムが導入されており、全国的に見ても珍しい施設となっていました。
学園では、放課後にクラブ会員の子どもが図書スペースで勉強して、時間になったら体育館でスポーツして帰宅するといった環境ができており、とても素晴らしいシステムだと感じました。
このような環境で、若いクラブマネジャーの柔軟なアイデアによるイベント展開は、町に活気を取り戻すきっかけとなっていました。
その他、詳細について気になることがありましたら、えひめ広域スポーツセンターまでお気軽にお問合せください。